水処理業界 用語集

水処理業界で使われる専門用語を分かりやすく解説します

水処理業界で使われる専門用語をカテゴリ別に整理し、分かりやすく解説しています。膜技術、AI・IoT、PFAS対策など最新技術の理解にお役立てください。

膜技術

逆浸透膜(RO膜)
半透膜を用いて溶液に圧力を加えることで水分子のみを透過させ、溶質や不純物を除去する水処理技術です。海水淡水化や超純水製造に広く利用されています。
グラフェン膜
炭素原子が六角形の格子状に配列した単層シート構造を持つ次世代膜素材です。理論的にはRO膜より数桁高い透水性を実現できるとされています。
ナノファイバー膜
直径数十〜数百ナノメートルの超微細繊維を三次元網目状に構成した高機能フィルター素材です。年率12.5%で成長する膜技術市場の重要技術の一つです。
限外ろ過膜(UF膜)
孔径0.001〜0.1ミクロン程度の半透膜で、細菌、ウイルス、コロイドを分離除去する水処理技術です。
精密ろ過膜(MF膜)
孔径0.1〜10ミクロン程度の膜で、主に懸濁物質や細菌を除去する水処理技術です。コスト効率が高く汎用性に優れています。
膜ファウリング
膜表面に懸濁物質や微生物が付着・堆積し、膜性能が低下する現象です。AI技術を活用したファウリング予測が次世代の重要課題です。

AI・IoT技術

AI最適化システム
機械学習により水処理プラントの運転条件をリアルタイムで最適化する技術です。エネルギー消費量を最大30%削減できることが実証されています。
スマートウォーターグリッド
IoTセンサー、AI、ビッグデータ解析を統合し、水道システム全体を最適制御する次世代インフラです。
IoTセンサーネットワーク
水処理施設や配水管網に多数のセンサーを配置し、水質、流量、圧力、温度などをリアルタイムで監視するシステムです。
デジタルツイン
現実の水処理プラントを仮想空間上に精密に再現したデジタルモデルです。運転シミュレーション、故障予測、最適化検討を実施できます。

PFAS対策技術

PFAS
有機フッ素化合物の総称で「永遠の化学物質」とも呼ばれます。極めて安定な化学構造のため環境中で分解されにくく、水処理業界ではPFAS除去技術の開発が急務となっています。
活性炭吸着
多孔質構造を持つ活性炭にPFASなどの有機物を吸着させて除去する技術です。長鎖PFASには比較的高い除去性能を示しますが、短鎖PFASの除去は困難です。
イオン交換樹脂
樹脂内の官能基と水中のイオンを交換することで目的イオンを除去する技術です。活性炭より短鎖PFASへの効果が高いとされます。
高度酸化処理(AOP)
強力な酸化剤であるヒドロキシラジカルを生成し、難分解性有機物を分解する技術です。PFASに対しても条件を最適化すれば分解が可能です。

大気中水分回収

AWG技術
大気中の水蒸気を凝縮または吸着により液体水として回収する革新的な水資源創出技術です。2032年には155億ドル市場に成長すると予測されています。
冷却凝縮式AWG
空気を冷却して露点以下に下げることで水蒸気を凝縮させ、液体水を回収する方式です。高湿度環境では効率が高いのが特徴です。
デシカント吸着式AWG
シリカゲルやゼオライトなどの吸湿剤に水蒸気を吸着させ、加熱により水分を脱着・回収する方式です。低湿度環境でも動作可能です。

海水淡水化

逆浸透法海水淡水化
高圧ポンプで海水に圧力を加え、逆浸透膜を透過させることで塩分を除去し淡水を得る技術です。世界の淡水化市場の主流方式です。
多段フラッシュ蒸発法(MSF)
海水を複数の減圧室で段階的に蒸発させ淡水を得る熱式淡水化技術です。発電所の排熱を利用できる場合に有効です。

循環型水利用

再生水
下水処理水や産業排水を高度処理し、再利用可能な水質まで浄化した水です。サーキュラーエコノミーの中核技術です。
リン回収
下水処理過程からリン酸を回収し肥料原料として再資源化する技術です。リン鉱石の枯渇対策として戦略的に重要です。
バイオガス回収
下水汚泥を嫌気性消化させてメタンを主成分とするバイオガスを生成・回収する技術です。カーボンニュートラル実現に貢献します。

水質評価・規制

水質基準
飲用水や環境水の安全性を保証するため法律で定められた許容濃度です。日本の水道水質基準では51項目が定められています。
残留塩素
浄水処理で添加された塩素が配水過程でも残存している状態です。給水栓で0.1mg/L以上の保持が義務付けられています。
BOD・COD
BODは河川、CODは海域・湖沼の有機汚濁を評価する指標で、水処理プラントの処理効率評価にも重要です。

水処理プロセス

凝集沈殿
凝集剤を添加して微細な濁質粒子をフロックに成長させ沈降分離する浄水プロセスです。AI技術による最適注入制御が進んでいます。
生物処理
微生物の代謝作用を利用して排水中の有機物や窒素・リンを分解除去する技術です。活性汚泥法が代表的です。
高度浄水処理
従来の凝集沈殿・砂ろ過にオゾン処理、生物活性炭処理などを組み合わせた浄水技術です。より安全でおいしい水道水を供給できます。